車屋さんの自動車情報Blog

    

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実は、車検でやる点検・検査・整備項目は、どこも全く同じなんです。 じゃあ違いはどこ?何??

 
2018/09/28
 

車検預りで一連に行われる— 先ず車検の本質でもある ”適合検査”、それから車検時期に付随して法律でその実施が義務付けられている ”法定24ヶ月点検整備”。(一般的にはこの両方を含めて車検と言われることが多いですが、実際には2種のイベントから成り立っている)

実はこのどちらも、基本、法的にその事項・項目などは定められており、

つまりユーザー車検代行などほんの一部を除き、大手メーカーディーラーだろうとローカルな中古車屋さんだろうと、町工場だろうとガソリンスタンドだろうと、カー用品店だろうと短時間車検だろうと~ 車検と称して実施している一連の検査、点検、整備などは、、 何処も全く同じだったりもするんです。

しかしそれでも、車検工場によって値段が違ったり、なんだか点検のボリュームが違ったり、あそこは良いとかウワサがあったり~ 色々とメニューがあったりと~ 目に見えての違いある事も多く、

じゃあ一体その違いは何なのでしょうか? 何処が違うのでしょうか?

※ なおお店やスタッフによって ”検査の合否基準” が微妙に異なることはありますが、(⇒ いわゆるグレーゾーンでの判断相違) 今回ここではそれらについては除外してのお話で願います。

※ ユーザー車検やユーザー車検代行業者に関しましては含みません。 特に代行はちょっと異質ゆえ決して同水準でご検討なさらないようご注意を。

一番大きな要素はレバレートや仕入れる部品

レバレートは工賃そのものの高さに影響します。(⇒ レバレートとは?

なので、ディーラー等の構えや経費、ビッグネームが立派な工場は全体的に高額になる傾向で、逆にそうでなくコジンマリとした工場では安くなる傾向にあるんですね。

それと自社仕入で使っている部品の違いが影響してくることも。

一般的に、メーカーディーラーほどメーカー指定品(いわゆる純正品)を使う傾向にあり、しかしメーカー提携品かつ純正部品はメーカーブランドがマージンを多く取っており 比較的高額なのは皆さんご存知のとおり。(まあディーラーが純正品を使わないと、何のための純正品か分かりませんし。。)

しかし世の中には、そもそもその純正品として納品している大元製品とかOEM製品というモノも多く、

ていうか純正品のほとんどは、確かに独自下請け生産されているものも多いが、しかし特に消耗部品などは第三者が製造している製品に自動車メーカーのブランドを付しているものも多く、ちなみにこの場合、その第三者が製造しているものを直接買い付けすれば純正品と全く同じものがかなり安く手に入るということになる。(バッテリーとかが有名かな。 とある大手ディーラーでは、純正バッテリーになることで大元製品の3~4倍の値段になっていることも)

また製品にはOEM関係にあるものも多く、(OEMとは? 簡単に言えば、ラベルや販売メーカーは違うが~ 実は同じ会社が作っているので中身は同じというもの)

この場合も純正品と全く同じものが、ラベルが違うというだけで安価に手に入るでしょう。

もちろんディーラー以外ではこういった製品が多く活用されていることも多く、

つまりやっている事は同じでも~ そもそも単価が違うというわけ。

なおこれら以外にも、薬で言うとジェネリック医薬品に該当するようなものかな? もちろん自動車部品市場においてもこういったジェネリック製品に相当するような製品も多く、(いわゆる純正同等品というやつ。純正品、もしくは純正品と全く同じものではないが、質は全く純正品と同等な製品のこと。 しかもそれでいて値段もかなり安い)

無論こういった部品はディーラーでは先ず見られる事はないでしょう。

あ、そうそう、これを忘れていましたが、

部品に対し ”定価売り” が基本的な工場がある一方で、いくらかでも値引きして ”レス売り(ディスカウント)” してくれるお店というものもあり、もちろんこの辺りでの違いが影響してくることも。。(一応補足までに、純正品は定価売りが一般的です)


提案メニュー

交換時期ではないが、前もってもしよかったら替えておきませんか? 等。 いわゆる工場の売上向上目的で行われる提案営業。 またとある部品を交換ついでに、どうせ取外しするなら悪くないがここも替えておきませんか? いずれ交換するなら今だと工賃分浮きますし~ みたいな。

まあ悪く言えば過剰整備とも。

ちなみにこれを看板力の強いディーラーや工場がやると、「やはりディーラー。見立て(目利き)が違う!」 等と、より信頼性が増したり根本的な説得パワーが桁違いだったりという不思議な現象も。。

追記。 過剰整備の背景 ///
車検自由化以来、価格競争へストレートに挑み、薄利多売により拍車がかかる一方で、これまで左ウチワで集客していた中規模以上の企業や、逆に営業展開に強い意欲を持つ会社などでは~ 集客台数が減った穴埋めを客単価強化へ移行する動きも増えており、つまり一台当たりでいかに多く利益を上げられるか! と、そういった流れでこのような過剰整備も拡散しつつあると言えるでしょう。

またそんな利益追求をより強固なものとするため、中古車販売店系の工場では特に、営業マンだけでなくメカニックに対しても一部歩合給の取り入れも目立ってきており、(上がった工賃や利益の度合によって、基本給とはまた別にマージン給が増える仕組み。 入庫ついでの追加作業による売上アップやメカニックの士気向上に非常に有利な戦略とも) 皆様が思われている以上に~ 血眼になっている現場も多いですね。。(実際、営業マン顔負けのメカニックも多いです。 しかも整備士という資格効果もあり、あれこれ薦められるとその説得力も倍増しますし、なにより説明が難しくて言われるがままの状況も。。)

車検とは全く関係のないサブメニュー

ちかごろコレも多いですね。 悪く言えば荒さがし営業とも。

エアコンフィルターとかエアコンリフレッシュとかコーティングとか、車検入庫ついでに 車検と全く関係ないところですすめられるものなど。(場合によったら新商品とか添加剤の類なんてのも)

ガソリンスタンドで昔流行った水抜き剤の営業に似た感じかと。

もちろんこれも、上記で言う売上げ目的の営業であることはあからじめ。

ただその水抜き剤とは異なり、薦めてくるのは自動車整備に関するエキスパートな車検工場や自動車販売店なので、

あまり良く知らない人からすると-

そんなところまでチェックしてくれるとは!さすが。。 と、逆に評価されることも多く、またクルマ屋さんが言うなら、、 と、オーダー比率も半端なく異なっていることでしょう。

いやいや、(本音は)少しでも利益のおこぼれを探すためにやっている事ですので。。

というか、”関係の無い部分” と言われなければ~ そもそも車検の延長かとも錯覚してしまいがち。 実はそこも狙い目だったりも。。


独自のコースメニュー

交換時期であるか否か問わず、その部分が良くても悪くてもとにかく強制的に交換項目になっているコミコミコース。

冷却水やブレーキオイルといった液体類が多いかな。

トータルでは確かに安いのですが、悪くなくても交換されるため~ 少々その辺りの選択が難しいことも。

また特定の非常に大きな看板ブランドをもつ車両専門店では、もっと大きな範囲まで含むことも多く、(バッテリーやフィルター類、プラグ、ブレーキパット等までも)

こういった場合には費用がとんでもなく高額になる傾向とも言えるでしょう。(レクサス車検とかヤナセのメルセデス車検とかがイメージに近いかな)

メンテナンスパック

あ、それと、メンテナンスパックというのもありますね。

通常、工場などで点検整備を行えば~ 一定期間常識で考えられる範囲の補償くらいは付いてくるのですが、しかしそれに加え、プラスいくらかの費用を出せば、、 補償が延長されるだけでなく、オイル交換券や次回の点検券などがセットになっており、トータルで考えるとお得です!みたいなパッケージ商品。

ちなみにこういったパッケージには、車検以外にも1年点検や一部部品費用が入っているため、全て傍受すれば確かにお得ですが、傍受しない人やしたくない人にとってはやや割高になってしまったり、また途中で車を買い替えることになった場合、こういったパック商品は固定客の他店への流出阻止・囲い込みのために存在しているゆえ、返金制度などがない事も多く、、 掛け捨て損を食らってしまう事も。。


点検項目が少ない格安コースがあるんですが

稀に点検項目を絞り、格安コースを取り扱っているお店もありますが、

これは法で定められた点検整備の項目の中で、省略できるものや 短絡出来るものを積極的に採用し、(法の許容範囲内で行われるもの)

その手間賃が減った分価格へ反映させている感じ。

例えば、通常ブレーキパットは、タイヤを外してキャリパー(パットが収まる部位)まで一度分解して パット全面においての残量チェックや内部系統の損傷劣化なども同時にチェックするのだが、しかしこれを短絡し、タイヤは外すがブレーキパットまでは分解せず、表の隙間からのぞいて残量やブレーキオイル漏れの有無のみを目視したりするだけに留める 等。

但し、こういった省略・短絡系の点検では~ 内部までのより詳細なチェックや予備的な部分のチェックまでは行われないため、もちろんトラブルを未然に防げる確率がやや落ちてしまいますので、

新車から5年以上経過し、(走行距離で言えば3万キロくらいかな) そろそろ各部位で色々と消耗も増えてくると思われるような車両では私的にはあまりオススメ出来ませんし、

また作業を簡易化しているゆえ、もしそこの部分を交換となってしまった分には~ 新たに追加で分解するなどの作業が増えてしまうため、

もし追加作業が入ってしまった場合にはやや割高な工賃が上乗せされてしまい、場合によっては逆に割高となってしまうなんて事も。。

ちなみにこういった基本料金を抑えたコース系では、そもそも追加料金に対しては割高料金が設定されている場合も多く、(携帯料金みたいな感じ) もしこういった場合、、 何も悪い箇所がなくすんなり車検が終われば格安で済むのですが、逆にある程度修繕箇所が必要となってしまった場合は割高な工賃がちょこちょこと上乗せされてしまい、このような感じで逆に割高になってしまう事も。

整備士による違いは?

点検整備を行う整備士も、保安基準の適合検査を行う検査員も~ どちらも国家資格保有者でありますので、

また車検を担当するメカニックは、大半が新人、もしくは準新人社員となるのがこの業界の知られざる定石でもあり、

多少個人差はあるものの~ その辺りは、そこまであからさまな ”差” とは言えないでしょう。


そもそも整備工場による格の違いは?

よく、ディーラー直営の整備工場だからノウハウも多く安心~ とか、あの工場はとても設備が整っているので安心~ とか、そういった違いのウワサもよく耳にしますが、

業界20年超でもある私は、個人的にはそのウワサほどの差はないと思っております。

そもそもいくら設備が良くても~ 使うのは同じ人間ですし、整備に関するノウハウなどは、整備振興会を通して工場のレベルを均一にするための色々な模索も実施されており、

ゆえ工場の違いによるレベル差というものも そこまでの差はないと思われていても問題ないのでは?

それと場合によっては、指定整備工場やら認証整備工場やら色々と階級?もありますが、

これも違いは自社検査(保安基準の適合検査)が出来るかどうかだけで、どちらもその技術や設備を国から認証された一定以上のレベル保有工場ですし、

またそもそも車検に関する法定点検は、認証整備工場以上の資格を持つ工場でないと実施できないゆえ、(ユーザー車検は除く)

つまり例え点検整備を外注に出しているような工場でも、実際の点検整備は認証整備工場の手によって行われておりますので、

この辺りも、皆様が思っているよりか さほど気になる ”差” はないでしょう。

 

とまあこんな感じで、

車検に関するお店によっての相違点について触れてみました。(なお、ここで触れた一連の情報につきましては、ユーザー車検、及びユーザー車検代行に関しましては含まれません事は今一度予め。。

以上、皆様のより身近な情報となれば幸いです。

 

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